ソフトウェア・シンセサイザはすでにいくつかありますが、 aRtsはある1つの目標を目指して設計されています...それは柔軟性です。
そのため、このプログラムの目指すものは、楽器が2つ、または10個でもいいですが、 そのパラメータを変えながらただ良い音を出せるだけのものではありません。 また、エフェクトを3つ、ミキサを1つだけ使える、というものでもありません。
いちばん小さいレンガから複雑な構造物、 例えばイコライザ付きのミキサ、エフェクトバンク、画面に表示される ボタン、パラメータまで、すべてがaRtsを構成する小モジュールから 構築できるものでなければなりません。 再接続、再設定、再プラグ、経路の再設定、 設計のやり直しのできないものがあってはなりません。 これはすべてを思いのままにできる仮想スタジオなのです。
もちろん、楽器のライブラリ、エフェクト・ライブラリ、ミキサ集、 複雑なフィルタ、midi プロセッシングユニットなどはあります。 これらは aRts と一緒に付いてきます。 しかし、それらはコード内部にあるわけではありません。 それらは aRts 自身で書かれ、aRtsbuilder からアクセスすることができます。 まだまだやるべき事はありますが、少しずつ達成していきましょう。
新しいシンセサイズモジュールは簡単に書けますし、 aRtsのシステムに簡単に統合することができます。
柔軟性をもたらすものには、 他にも CORBA があります。
シンセサイザは基本的に2つの部分からなります - モジュールを接続するGUI - とモデルを実行する深層レベルのシンセサイザです。 シンセサイザと GUI は CORBA によって通信します。 これによって、複数のオーディオアプリケーションが、 シンセサイズで使用する領域を共有できます。 それはつまり、Arts が、すべてのアプリケーションに接続されている midi バスだけでなく、 別々のリアルタイム計算を同時に行うことができる一種のオーディオサーバになる、 ということです。